★感動

『続 老いの風景 人生を味わう』渡辺哲雄 ★★★☆☆

 地域福祉を仕事にしている関係で興味があり本書を読み
ました。

 物語を通じて高齢者や家族の心情に触れることができ、
福祉に関心を向けるひとつのきっかけとなる内容だと思
います。

 本書は、見開き1ページの80篇の短篇小説です。
感動するストーリーが多かったのですが、ベスト3をあ
えて選ぶとすれば次の3つでしょうか。

〇郵便配達員のやさしさと子どもの親を思う気持ちが
 シンクロして心が温まる「ハガキ」

〇気丈な母のウソが身に染みる「うそ」

〇外の顔と内の顔のバランスを考えさせられた「立派
 な妻」

あと、本書を読んで物語の型というものを見つけました。
名付けて、「内外対比型」と「異世代対比型」です。

 具体的にはこういうことです。
 まず前者。
 妻が理想の結婚生活をテーマに講演の講師として熱弁を
奮う一方、家庭に帰ると妻の家庭を省みない忙しさに夫
は愛想つかして逃げていく。要するに外でできているこ
とが内ではできていないというパターン。

 後者は、こうです。
 会社を引退した息子は、地域の役員になってほしいと地
域の人たちから懇願されるが、人間関係のわずらわしさ
が嫌で断る。しかし、老人ホームに入所している親に会
いにいったとき、ポツンと一人で孤独に過ごしている光
景を見て、考えを改め地域の役員を引き受けた。
 親の状況を見て、自分の行く末を想像し、今の考え方
を改めるパターンです。

続 老いの風景 人生を味わう Book 続 老いの風景 人生を味わう

著者:渡辺 哲雄
販売元:中日新聞社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

| | コメント (0) | トラックバック (0)