« 『流星ワゴン』重松清 ★★★★★ | トップページ | 『偽善エコロジー』武田邦彦 ★★★★★ »

『他力』五木寛之 ★★★★★

('98読了)

《印象に残った内容》
○「他力とは、目に見えない自分以外の何か大きな力が、自分
 の生き方を支えているという考え方なのです。自分以外の他者
 が、自分という存在を支えていると謙虚に受けとめることが重
 要なのです。他力とは言葉を替えると、目に見えない大きな宇
 宙の力と言ってもよく、大きなエネルギーが見えない風のよう
 に流れていると感じるのです。自分ひとりの力でやったと考え
 るのは浅はかなことで、それ以外の目に見えない大きな力が
 自分の運命に関わり合いをもっている。」

○「わがはからいにあらず」という「他力」の思想を思うとき、
「なるようにしかならない」という安心感が訪れてくるのです。

○「他力」の思想はヨットにたとえられる。エンジンのついて
 いないヨットは無風状態では走ることができません。ヨットの
 上でどんなにがんばっても無駄。しかし、風が吹いてきたとき
 にヨットの帆をおろして居眠りをしていたのであれば走る機会
 を失ってしまいます。だから無風状態が続いても、じっと我慢
 し、注意深く風を待ち、空模様を眺めて風を待つ努力が必要な
 のです。他力の風が吹かなければ、ヨットのように私たちの日
 常も思うとおりに動かないものなのでしょう。

○物事がうまくいかないときは他力の風が吹いていないと思え
 ばよいのです。反対に、思った以上に物事がうまくいったとき
 は、過信するのではなく謙虚に他力の風に感謝すべきなのです。

○正直者がばかを見るのは当たり前、努力は報われるものでは
 ないのです。

○人間はただ無為に生きるだけでも大変なことです。生きるこ
 とそのものが大変なことなのです。どんな人生であってもそれ
 なりに一生懸命必死で行き続けてきたに違いないのです。

○「マイナスの勇気、失うことの勇気、あるいは捨てることの
 勇気。現実を直視した究極のマイナス思考から、本物のプラス
 思考が出てくるのです。」

○諦めるは明らかに極める、勇気を持って現実を直視すること。

○「ぼんやりと自分の意識の外を流れていくような聞き方をし
 ながらも、なお心に残るものこそ忘れないし、これこそ大事な
 ものであるということではないでしょうか。」

○「慈悲」という言葉の「慈」はパーリ語で「マイトリー」と
 いい、「悲」は「カルナー」という。
  たとえるなら、父親が息子に罪を償って立派に更正しろ、
 共によりよい生をいきていこうと激励するのが「慈」であり、
 お前が地獄に行くなら、自分も一緒についていくよと黙って涙
 を落とす母親のような感情が「悲」です。

《印象に残ったキーワード》
・委任社会
・暗愁
・人は泣きながら生まれてくる(シェイクスピアの戯曲「リア
 王」の台詞)
・同治と対治(仏教用語)

他力 (講談社文庫) Book 他力 (講談社文庫)

著者:五木 寛之
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

|

« 『流星ワゴン』重松清 ★★★★★ | トップページ | 『偽善エコロジー』武田邦彦 ★★★★★ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1048288/29643305

この記事へのトラックバック一覧です: 『他力』五木寛之 ★★★★★:

« 『流星ワゴン』重松清 ★★★★★ | トップページ | 『偽善エコロジー』武田邦彦 ★★★★★ »