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2009年4月

『影踏み』横山秀夫 ★★★★★

 だいぶ前に買っていたのですが、読み忘れて本棚に眠ってい
ました。買ったときほどの読みたい気持ちは薄れていたのです
が、少し読み始めるととまりませんでした。先が気になって、
途中でやめることができませんでした。これまで横山秀夫さん
の本で失敗したことはなかったのですが、今回も然りです。
 
 本書は、犯罪者を主人公としためずらしい連作短編集です。
犯罪者ではあるのですが、どこか憎めず、その境遇には同情を
したくもなります。警察視点ではない犯罪者視点という斬新な
ミステリーの要素があり、一気に読めました。

影踏み (祥伝社文庫) Book 影踏み (祥伝社文庫)

著者:横山 秀夫
販売元:祥伝社
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『人質カノン』宮部みゆき ★★★☆☆

 ありふれた日常生活をこんなスリリングな短編ストーリーに
してしまう著者には圧巻です。どれもよかったのですが、読後
は「過ぎたこと」と「生者の特権」が印象に残っています。
 
 前者は、護衛サービスを意外な形で活用した小学生に思わず
手を叩きました。
 
 後者は、相手を心配するなら理屈ではなく、いかに相手の気
持ちになりきりその状況を考えることができるかが大切だ、と
いうことを改めて考えさせてくれました。

人質カノン (文春文庫) Book 人質カノン (文春文庫)

著者:宮部 みゆき
販売元:文藝春秋
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『夢の中まで左足』名波浩 増島みどり ★★☆☆☆

 名波選手は、私の好きなサッカー選手の5本の指に入ります。
さらに本書は、私の好きなミスチルの桜井和寿さんとの対談も
あります。
 このふたつから本書を手に取りました。

 サッカー経験のある私でも文章がわかりずらい部分がありま
した。また、内容ももう少しつっこんだ、例えば引退した今だ
から語れるみたいなことも期待していたのですが、そういった
内容があまりなかったのが残念でした。

 ただ、名波選手のサッカー観、とりわけパスについてのこだ
わりは伝わってくると思います。

以下は、印象に残った内容です。

○パスは、ドリブルやシュートと違って相思相愛の要素がある。

○足が遅かったからこそ思考速度が上がった。

○ミスチルの桜井さんは音楽の意味を、世の中にある既成概
 念や価値観を別の角度や間逆から見ることで、また違う正しさ
 や常識が見えてくるのではないかと問い続けること、ととらえ
 ている。

○言葉を探すときどこかで自意識が働くと深層心理まで届か
 ない。自意識を取っ払い心の奥底にあるものを解き放つのが歌
 詞を書く作業。

名波浩 夢の中まで左足 Book 名波浩 夢の中まで左足

著者:名波 浩,増島 みどり
販売元:ベースボール・マガジン社
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『今をどう生きるのか』五木寛之 松原泰道 ★★★☆☆

〇考えてもしょうがないことをついつい考え込んでしまうこと
はありませんか。「明日の会議うまくいくだろうか」「自分は
人事異動するのだろうか」など自分の力ではどうしようもない
のだけれど、ついつい考え込んでしまう。そんなときこのエピ
ソードが心に響きました。

ブッダは死後どうなるのかについては一切口にしなかったとい
います。「もっと大事なことを問え」というのです。だれも経
験したことのない死後の世界を議論することは観念の遊戯で果
てがない。そんなことに時間を使っていては、いまという大事
なときが過ぎ去ってしまう。

〇自分だけが苦しくて辛いと感じたときは、こう考えるとほん
 の少しかもしれませんが軽くなるかもしれません。

 著書の松原さんは、自分だけに与えられた悲しみや苦しみを味
わうことで人々の苦悩がわかるのではないかといいます。そし
て、他人の気持ちが理解でき、やさしくなれるのです。苦しみ
を感じることで人さまの役に立てるということです。

〇私は同じ本を何回も読むことはめったにありません。でも、
 同じ本を複数回読む意味ってこういうところにあるのかもしれ
 ないと改めて気づかされました。

 著者の五木さんは、その時代その時代に応じて仏教という宝の
山から自分たちの生きる指針を取り出すことが重要ではな
いかというのです。

〇科学的に証明されていなからこそ「信じる」ということにな
 る。客観的に証明されていなくても自分の感覚を頼りに「信じ
 る」ことも必要なんだと思うことができた言葉です。
 五木さんの言葉です。
 宗教的なことや奇跡的なことを科学的に説明しようとする人が
 いるが、合理的だったら信じる必要はない。納得すればいい。
 理解できないことだから信じるのである。

〇以下、二つは私も実践している考え方です。

・ある仏教の学者は、ブッダの最後の説法を一言で言うと「
 頼心を捨てよ
」と解釈している。

・松原さんは、本当の締切日から一日早い日を締切日と考えた
 り 10時に出かけるときは9時に出かける心づもりをしてい
 るといいます。それを「心の夏時間(サマータイム)」と表現 
 しています。

いまをどう生きるのか―現代に生かすブッダの智慧 Book いまをどう生きるのか―現代に生かすブッダの智慧

著者:五木 寛之,松原 泰道
販売元:致知出版社
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『世界一おもしろい戦国の授業』河合敦 ★★★★☆

 日本テレビ「世界一受けたい授業」でも驚きの歴史の新事実
を教えてくれる河合敦さんですが、本書でも常識とされている
戦国時代のエピソードをくつがえす新真実をたくさん教えてく
れます。

 歴史に真実は本当にあるのかと思わされるほど、中学、高校
時代に学んだことがひっくり返りました。

 以下、本書で私が驚いた新真実です。

 〇明智光秀の有名な言葉「敵は本能時」にありはウソだった。

 〇織田信長の「桶狭間の戦い」は雨中の奇襲攻撃ではなかっ
  た。

 〇織田信長の「長篠の戦い」で武田の騎馬隊を圧倒した鉄砲
  三段撃ちはウソだった。

 〇当時の馬はポニー程度の大きさしかなく土煙をたてて襲来
  するといったイメージではなかったと思われる。

 〇木下籐吉郎(豊臣秀吉)の織田信長の草履を温めて気に入ら
  れたというエピソードはウソだった。「猿」というあだ名
  もウソ。

 〇毛利元就の「三本の矢」のエピソードはウソだった。

 〇千利休は豊臣秀吉のブレーンであり、内々のことはすべて
  利休にまかせていると言わしめるほどだった。

 常識だと思っていた史実が実はウソだったということを知り、
ショックを受けたり興味深かったりします。

 ただ、史実ではなく後世の創造だったとしても、歴史から学
ぶことは多いと思います。何を学び何を気づくかが大事であり、
史実かどうかは学ぶという点からすればたいしたことではない
と思います。

世界一おもしろい戦国の授業 (二見文庫) (二見文庫) Book 世界一おもしろい戦国の授業 (二見文庫) (二見文庫)

著者:河合 敦
販売元:二見書房
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『哲学』島田紳助 松本人志 ★★★★☆

 著者のふたりには、笑いだけでなく、それ以外の「何か」に
魅かれます。
 
 本書を読んで、その「何か」がはっきりしました。独自の世
界観を持ち、常識にとらわれず、まわりを気にせずに自分の考
えを貫く生き方をしているふたり。私は、そういった生き方に
魅かれるのです。
 
 言わずとしれたお笑い会の頂点に君臨するふたりの生き方に
、自分の信じた生き方を突き進むことに対して勇気をくれます。

 島田紳助さんの言葉で印象に残ったものが二つがありました。
原文とは違いますが、意味としてはこうです。

○お金は「心の安心感」である。死ぬまで買いたいものを買い、
 食べたいものを食べ、行きたいところに行く。それができる
 人が一番の幸福だと思う。

 当たり前のことです。でも、お金の話はいやらしいものとと
らえがちなだけに、このストレートな表現に素直に共感しまし
た。

○子どもがCDを買ってとせがんでくる。すると島田紳助こう
 答えたという。お前がよそのねえちゃんだったらどんだけで
 も買ってやる。でも自分の娘だから買うことができないんや。
 なぜなら、親が買うと子どもは喜ぶ。その喜んだ顔を見て親
 も喜ぶ。でもそれは自分のお金でCDを買うという子どもの
 喜びを奪っているんや。だから親は買ったらいけない。お前
 の喜びにしないといかんのや。だから自分で買いや。

 子どもが大きくなってモノをせがんできたらこういう諭し方
 もあるんだなと思い感心しました。

哲学 (幻冬舎よしもと文庫) Book 哲学 (幻冬舎よしもと文庫)

著者:島田 紳助,松本 人志
販売元:幻冬舎
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