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『いまを生きるちから』五木寛之 ★★★★★

 本書はNHKの番組「人間講座」で五木さんが語られた
内容が文章化されたものです。
 これまで数々のエッセイに書かれた五木さんの考えが簡潔に
まとめられている印象を受けました。
 
 五木さんの考え方に感化され10年くらいが経ちますが、今
でも五木さんの考え方には同感する部分が多く、生き方に迷った
ときの私の「人生の指針」です。

《ポイント》

○自殺者は年間3万2000人以上を超え、年々増え続けてい
 る。年に4回阪神淡路大震災が起きているのと同じくらいの死
 亡者。

○自殺者が多い原因には、日本人の心が軽くなり、心が乾き
 きっていることがあげられる。

○日本人の乾ききった心に水を注ぐことが必要。その水という
 のは、情や感傷、慈悲の「悲」などのセンチメンタルな感情。

○環境問題には、人間と同じように虫や水、草、木、山などに
 も命が宿り、それぞれが命ある尊い存在である。だからこそ共
 生しなければいけないという考え方が必要。それは日本人が昔
 から持つ「アニミズム」の心である。「地球にやさしい○○」
 なんていうのは人間第一主義の傲慢な考え方である。

○深い縁で結ばれているはずの親が子を虐待し、子が親を殺す
 事件があとを絶たない。夫婦の絆もゆるくなってきている。そ
 れは、自分の選択で親子や夫婦になったという考えがあるから
 そうなるのであって「他力」でそうなったと思えば、そんな痛
 ましい結果にはならない。自分の力だけではなく目に見えない
 大きな力によって親子や夫婦になったと考えなければいけない
 のではないか。

○日本の大変革期は「明治維新」と「敗戦」。今は第三の大変
 革期にいる。平時ではない今だからこそ、「今をどう生きるか」
 という準備が必要であり「今を生きる力」が必要なのだ。

いまを生きるちから (角川文庫) Book いまを生きるちから (角川文庫)

著者:五木 寛之
販売元:角川グループパブリッシング
発売日:2008/12/25
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