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『脳はなにかと言い訳する』池谷裕二 ★★★★☆

 難しい脳科学がわかりやすいエッセイ形式でまとめられてお
り、楽しんで読むことができました。「脳は何かと○○する」
という26個の切り口は、単なる脳科学の知識だけではなく、
それを日常生活にどう活かすかといったヒントもたくさん拾う
ことができました。
以下は、私が本書を読んで得た脳科学の知識を日常生活に生か
すヒントです。

《日常生活に生かす5つの脳科学の知識》

1 脳細胞を増やす方法がある~年をとっても脳細胞は増える~

2 脳科学的モチベーション維持の方法、「作用興奮」の活用

3 ど忘れに悲観することは不要

4「赤」を身にまとえば勝負強くなれる

5「睡眠」の活用で楽して記憶

以下、それぞれの項目の詳細説明です。


1 脳細胞を増やす方法がある~年をとっても脳細胞
は増える~

「年をとると脳細胞が減る」とよく耳にしますが、今の脳科学
ではこれは必ずしも正しくないのです。脳内の「海馬」の神経
細胞は増殖する力があるというのです。

 では、「海馬」とはどんな働きをするのか。簡単に言えば
「記憶を脳に刻み込むために必要な場所」です。記憶を一時的
に保管することはありますが、記憶を蓄える場所ではなく、記
憶の入り口のようなものです。ですので、「記憶」にとても関
わりのある重要な場所なのです。
 その「海馬」の神経細胞を増やすにはどうしたらよいのか。
 以下の5つが海馬の神経細胞の増殖に有利に働くといわれて
います。

 ・マンネリを避けて刺激ある日常生活を心がける
  (当たり前のことを見直してみる)
  ⇒脳は不確実性を楽しむのです
 ・適度なランニング
 ・食べ物をよくかむ
 ・社交の場へ積極的に出る
 ・社会の現場で優位な対人関係に位置する

 さらに海馬はストレスの耐性を高めるのにも関係があります。
 ストレスの耐性を高めるには「記憶の作用」が大きく関わっ
ています。どういうことかというと、ストレスを受ける環境に
いかにはやく慣れることができるかです。すなわち海馬が活性
化するほどストレスへの順応が早くなるのです。

2 脳科学的モチベーション維持の方法
 
 モチベーションを維持する方法を2つ紹介します。
 ひとつは「外発的動機付け」といわれるものです。ご褒美が
もらえたり、褒められたり、喜びや快感が味わえるといった脳
の内側からやる気を与えるのではなく外から与えるという考え
方です。環境主導です。
 ふたつ目は「体を実際に動かしてみる」です。「作業興奮」
と呼ばれています。
 やる気がなくてもまず始めてみる。そうすることで脳がしだ
いに活性化し、のめりこんでいくということがあります。
 例えば、冬の朝、布団から出るのはだれもがおっくうだと思
います。
 そこで、この「作業興奮」です。
 目が覚める、覚めないという前に、まずは体を起こして、歯
を磨いたりカーテンをあけ朝日を浴びたり、顔を洗ったりして
体を動かすことで、それに引きずられる形で脳が目覚めるので
す。
 私は、この「作業興奮」を知ってからは、つべこべ言わずに
とにかく動いてみることを大事にしようと思いました。

3 ど忘れに悲観することは不要
 
 ど忘れは大人特有のものではありません。子どもは物忘れを
いちいち気にしないが大人は歳のせいだといって気にするので
す。
でも、子どもと大人では今まで蓄積した記憶量が違います。検
索に時間がかかって当然と言えます。だから、ど忘れしたとき
には、それだけ脳にたくさん知識が詰まっているから検索に時
間がかかるんだと前向きに考えましょう。
 それにしても、ど忘れは不思議な現象です。答えは出てこな
いが、その一方で正解が何かを知っている自分がいるという矛
盾構造なんですよね。

4「赤」を身にまとえば勝負強くなれる

 脳は赤色を身にまとうと勝負強くなるという錯覚を起こしま
す。
 アテネオリンピックの格闘技四種の試合結果を調べると、す
べての競技において赤色のウエアやプロテクターを着けている
方が勝率が高いのです。
 さらにもう一つ。2004年のヨーロッパ選手権では、5つ
のチームに着目したところ、赤色のユニホームを着用した試合
のほうが得点率が高いのです。

 
5「睡眠」の活用で楽して記憶
 
 睡眠中、脳内で身の回りに起きた出来事が再現され、保管す
べき情報を整えています。睡眠でなくても外部からの情報を遮
断してリラックスするだけでもよいといわれています。また、
夢には睡眠直前の情報が現れるという人もいます。そうである
ならば、睡眠直前に記憶したいことを脳内に入れておくとよい
かもしれません。さらに睡眠は忘れかけた情報を呼び起こして
記憶を補強する効果もあります。

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著者:池谷 裕二
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コメント

糸井重里氏との対談集、「海馬‐脳は疲れない‐」も面白かったですよ。朝鮮人参は海馬の性能を良くする!?

投稿: | 2011年3月13日 (日) 19時49分

私も『海馬』を読み、脳に興味を持ち始めたのがこの本を読んだきっかけでもあります。『海馬』は脳をわかりやすく解説してるのでとっつきやすい本だったと思います。

投稿: 胡蝶 | 2011年3月14日 (月) 10時43分

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