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『女の子が幸せになる子育て』漆紫穂子 ★★★☆☆

 子育ての究極な目的は「子どもの自立」だと思っています。
 親がいなくなってもひとりで生きていけるようにするという
ことです。
 まだ、私の子どもは4ヶ月になったばかりの男の子で、子育
てというよりは育児です。ただ、いずれ大きくなり子育てに迷っ
たときは、今自分がしていることは子どもの自立につながって
いるのかを考えるようにしたいと思っています。

 また、子どもの運動会で一等を決めないなど「競争」を否定
的にとらえる風潮もあるようですが、私は反対です。
 社会に出れば、「競争」を避けては通れません。子どもの頃
に遠ざけていた「競争」というものが、いざ社会に出て目の当
たりにしたときに果たして順応できるのでしょうか。子ども
の頃からある程度の「競争」は必要だと考えます。

 本書では、限られた価値観しかないところでの「競争」の
危険性を述べています。いろいろな形の「競争」が必要だと
いうのですが、それは私も同感です。

 本書にはそんな私の考えを後押ししてくれる内容も多数あり、
しかも、わかりやすい具体的な内容で書かれています。本書は、
女の子が幸せになる…という題名となっていますが、決して女
の子に限った内容になっているわけではありません。現に私の
子どもは男の子ですが、参考になることはたくさんありました。

以下、興味深かった内容をまとめます。

○自立した子どもを育てるためには、子どもが自分で判断し選
択する機会を与えてやることが必要である。それが失敗すると
わかっていたとしてもときには目をつぶる勇気が必要。

○今の子どもたちを取り巻いている環境は親の世代とは違う。
子どもの少ない経験では処理できない問題があふれている。

○門限は、家族の信頼を裏切らないようにと自由にブレーキが
かかる「心のストッパー」である。

○年中行事は、季節感を感じ、自然への畏敬の念や感謝の心を
感じる大切な機会であり、七夕や節分など家族のコミュニケー
ションの機会ともなる。

○江戸時代の町人の心くばりとされる江戸しぐさに「うかつあ
やまり」というものがある。それは道で人とぶつかったとき、
ぶつかったほうは「ごめんなさい」と言うが、ぶつかられたほ
うも「うかつでした」と返す、いわゆる気配りや気遣いを大切
にした考え方。

○子どもが自分を卑下したり諦めている場合は、「本当はどう
したいの?」や「もし、できたとしたら?」と声をかけるのが
有効的。

○子どもが否定的ともとれる行動をしたときは「本当はどうし
たかったの?」と子どもの意図をくんであげることが大切。

○家庭に仕事を持ち込むこともときには必要。子どもが身近な
社会人は親であり、そこから子どもが将来の仕事を考えるきっ
かけとなる。

《印象に残った言葉》

○美しいものを美しいと感じ、季節の移り変わりを楽しめる心
は、形のない財産です。そうした心があれば、ふと道端の草を
見たとき、虫の音を耳にしたとき、あるいは、食卓に上る旬の
食材に触れたとき、季節を感じ、自然とのつながりを実感でき
るでしょう。大人になって忙しい日常のなかで感じるそんな一
瞬が心の余裕になります。

○すっぱい葡萄の心理
  キツネが高い木に美味しそうに実っている葡萄を取ろうと
一生懸命になるが結局取れない。どうせ酸っぱい葡萄だからや
めとこうと自分に言い聞かせて去っていくというイソップ寓話。
 満たされない欲求に対し、自分にとって都合のいい理由をつ
けて行動を正当化したくなる心理のこと

女の子が幸せになる子育て Book 女の子が幸せになる子育て

著者:漆 紫穂子
販売元:かんき出版
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コメント

あけましておめでとうございます! 書評ありがとうございました、とお礼を言わせてください(笑)

胡蝶さんの自分のお子さんと照らし合わせて読まれている部分が、なんかいいなと思いました。門限やルールは、そういう考えなのか!と参考になったのをよく覚えています。

今日なんとなくこの本の話を思い出しましたが、シンクロチシティだったかもしれません。今年もよろしくお願いします。

投稿: イッパイアッテナ | 2009年1月17日 (土) 01時16分

イッパイアッテナさんへ
 こちらこそありがとうございます。
 イッパイアッテナさんのブログが
きっかけで本書に出会えてうれしく
思っています。門限のことをはじめ、
初心者パパとしては参考になる部分
が多かったです。といいながらも
★3つの評価にしているのは、もう
少し内容を深めて書いてほしかった
というちょっと辛口の評価なのです。
また良書があればお互い情報交換さ
せていただきたいと思います。
今年もよろしくお願いします。

投稿: 胡蝶 | 2009年1月17日 (土) 18時01分

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