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『人間の覚悟』五木寛之 ★★★★★

 これまで期待しないで生きてきた。
 社会に期待しないし、友人にも恋人にも期待しない。
 会社にも期待しないし、結婚した今では、妻にも子ども
にも期待しない。
 
 例えば、妻だから家事をするのは当たり前と期待しない。
子どもは親孝行するもんだとは期待しない。社会や国が
自分を守ってくれるなん期待しない。
 
 虚無的で後ろ向きな考え方だと思われるかもしれないが、
決してそうではない。
期待していないからこそ何事も自分でしっかりやろうと
思う。はなから期待していないので、期待した結果が得
られず腹がたつということもない。期待していなから批
判的になることもない。もし、何かいい結果が得られた
のならば、期待していなかったから、その分喜びも大き
い。

 10年以上そうやって生きてきたが、この考え方には随
分助けられたと思っている。

 こういった考え方をするようになったのは、五木寛之さ
んのこれまでの著書の影響が大きい。
 
 本書は、これまでの著書以上に、「期待しない生き方」
に焦点を絞っていると思う。

 期待しないと覚悟して生きていく。
 これが生きにくい現在を生きていく私の哲学である。
 本書を読んで再確認できた。

《本書のポイント》

○諦める(明らかに究める)覚悟をもつ。

○自分が信じると選択したことに裏切られても後悔しな
 いと覚悟する。

○善意は伝わらないと覚悟する。

○人生は不合理だと覚悟する。

○一件落着主義はウソであると覚悟す。

○国や法律は守ってくれないと覚悟する。

○健康な体は決してないと覚悟する。

○最低限から考えてみる。

○体の声に従うことが大切。

○「中道」の考え方が大事。一方に偏らないという意味
 ではなく、両方大事という考え方。

○人は生きただけで偉大なのだ。

○いいことをしてもひけらかさない。(中国の「隠徳」
 という考え方)本田宗一郎氏の苦学生への奨学金の例

○資本主義は終焉の時期が来ている。

○統計などの数字よりも自分の実感を信じる。

○「格差」は、あることが問題ではなく定着すること
 が問題。

○躁から鬱の時代(下降していく時代)に入った。

○下降する社会と上昇しようとする摩擦が若者が感じる
 閉塞感につながっている。

○日本人は文明は西洋から取り入れたが魂までは取り入
 れていない。

人間の覚悟 (新潮新書 287) Book 人間の覚悟 (新潮新書 287)

著者:五木 寛之
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