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『息の発見』五木寛之/玄侑宗久 ★★★☆☆

 高校生のときに所属していたサッカー部の練習は、必
ず最後にグランド10周があった。
 距離にして3キロくらいだったと思う。練習でヘトヘ
トになった体でグランドを10周走るのは結構キツイ。

 何かよい方法がないものかといろいろ考えた。

 そのひとつが呼吸の仕方であった。
 いろいろな呼吸を試してみた。2回スッスッと吸って、
同じリズムでスッスッと2回はく。2回スッスッ吸って
スーっと1回はく。鼻で吸って鼻ではく。鼻で吸って口
ではく。

 いろいろ試してみて思ったのは、長距離を走っていると、
呼吸の仕方で疲労の度合いがずいぶん変わるのである。

 走るリズムと呼吸のリズムが同調すると、心地よく走
れるときがある。

 この状態に達すると今までキツかったのが気持ちいい
と思えるのだ。

 この体験から呼吸が身体に与える影響を大きいことを感
じ、呼吸に気を使ったものである。ただ、それはスポー
ツをしているときだけのこと。

 ふだんの生活ではとくに意識してこなかったが、齋藤
孝氏の『呼吸入門』を読んで、ふだんの生活でも意識す
るようになった。

 ただ、それもだんだんなくなり、本書を読んで再度、
呼吸の身体に与える影響を認識し、呼吸に目を向けるよ
うになった。

 本書によれば、呼吸をするときに意識をもっていったと
ころの酸素交換が盛んになってあたたかくなるらしい。
しかも下痢や風邪を治してしまうこともあるという。

 呼吸法ははるか昔から身体を健康に保つひとつの方法
として注目されており、かのブッダも呼吸法を説いて
いるくらいである。

 ただ、呼吸法といっても難しく考える必要はないと思
う。本書で五木寛之氏が言っているように自分が気持ちよい
方法でやればいいのである。

《ポイント》

●人間の生命活動を考えるとき、一番の基礎は呼吸。水
を飲まなくても1週間は生きられるが、息ができなくて
はすぐに死ぬ。

●ふだん息をほとんど意識することがないが、日常のさ
まざまな場面で知られざる息のはたらきがある。

●息の発見とは、いのちへの気づき

●呼吸法はどれが正しいというのはない。自分の体の声
を聞きながら、自分にとって一番いい息づかいを自分で
見つけるしかない。

書きとめておきたい言葉》

●息という文字は、「自」と「心」と書くように、その
ときのこころの状態を映すもの
 「息が合う」「息が通う」「息がかかる」

●息を吸うときには、息を吸っている自分に気づこう。
吐いているときには、吐いている自分に気づこう。喜び
を感じながら意気をしよう。心を感じつつ、心を静めて
呼吸をしよう。心を安定させ、心を自由にとき放つよう
に息をしよう。そして、無常を感じ、生の消滅を感じ、
自己を手放すことを意識しつつ呼吸しよう(ブッダの言
葉)

《興味深い話》

●~脳死は人間の本当に死といえるのか~
 ニワトリの卵とウズラの卵の書くを入れかえて、ニワ
トリのヒヨコにウズラの羽と脳が発生するようにした実
験。
 ふ化するとふるうのヒヨコは黄色いがウズラの核を
移植されたほうは頭が黒くて、ウズラの脳と羽を持って
生まれてくる。
 ヒヨコはピーピー鳴くがウズラを移植されたほうはピ
ッピッピと鳴く。だんだんニワトリとしての免疫の体系
が成長してくると、この翼は自分の翼ではない、非自己
であると否定する。やがて翼が腐って落ちる。
 その次に、この脳は私の脳ではなないと免疫系が否
定する。すると脳が腐ってヒヨコは死ぬ。
 
 免疫系が優位に働くということは、脳死は人間の死で
はなくて、免疫の体系が活動を停止したときが、人間の
死ではないかという考えになる。
           (『免疫の意味論』多田富雄)

息の発見 Book 息の発見

著者:五木 寛之,玄侑宗久
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