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2008年11月

『効率が10倍アップする新・知的生産術』勝間和代 ★★★★★

 本書は、何かの紹介記事に、本を読むときに線を引くの
は時間の無駄とあり、自分の流儀と違うので今まで気には
なっていたが、なかなか読めなかった。

 本書を読み、改めて読書の仕方を考えさせられた。
 今まで、読書法をテーマとした本はいくつか読んできて、
自分なりの読書法はだいぶ確立してきたつもりであったが
本書がきっかけで頭の中で化学変化を起きた感じである。
一度このブログで自分の読書法について書いてみたいと
思っている。そして、他の方の読書法についてもぜひ知り
たいと思う。

 また、これまでの自分の生活がかなりインプットに偏って
いたことを再認識した。

 日ごろの生活に役立つようなアウトプットの時間を増やし
そのためのインプットを心がけようと思う。



《学び》

【情報に対する考え方】

○情報がある人へお金が流れる時代(情報主義)

○情報のインプットの効率をあげるためには自分のテーマ
 (フレーム)をもつことが大切。

○情報を能動的に管理する意識を持つ。

○情報は五感でインプットすること。(細胞記憶の例)

○本質的な情報(生活に役立つ、人生が充実する)は、
 1%くらいしかない。

○情報のインプットやアウトプットの仕組みは、一朝
 一夕にはできない。いろいろ試してみて、自分に
 フィットしたものを残す改善のプロセスが不可欠。

【インプット】


○自分メディア(自分の五感による体験と他者の体験)
 からの情報を増やすこと。


◎インプットは本からだけではなく、自分メディアやテレビ
 からのインプットを意識する。


○4マス(新聞、テレビ、雑誌、ラジオ)はあくまで加工情報
 であることを意識する。

○知の三点測量法

○アウトプットにつながるインプットを心がける。

○インプットとアウトプットは5対5.

【アウトプット】

○インプットの横流しのアウトプットは付加価値がない。

○アウトプットは文書を作るだけではない。日ごろの気づき
 から疑問を抱き、それを調べ、新しい発見につなげる技術。

○簡略化(概念化)、階層化、フレームワーク(情報整理の
 柱)を意識。

○アウトプットをマメにできる仕組みづくり。

【インプットとアウトプットの関係】


●「本」と「自分メディア」からインプット
       ↓
●自分の言葉で解釈し、本質のみをテーマごとにイン
 プット(格納) ※枝葉は不要
       ↓
●以下の視点でアウトプット
 ・「簡略化(概念化)」
 ・「階層化」
 ・「フレームワーク」


【読書について】


○本は効率的で安価。目からうろこがおちる情報が
 ひとつでもあれば本代は回収できていると考える。

○本をじっくり読まない。

○1冊から搾り取ろうとしない。

○読む前に読む目的をはっきりさせる。

○すきま時間にパッパッと読む。(腰をすえて読む
 時間はないのがあたりまえと覚悟)

○小説は生き方や経験を疑似体験でき、他者理解
 に役立つ。

○積読は本に触れる機会を増やす大事なプロセス。


○骨子(本質)をつかみ自分の考えに取り込む。

○1冊ごとのまとめは時間のムダ。

○複数の本で学んだことをまとめ、行動のなかで
 学びを生かす。まとめのためのまとめは不要。

○本を読むとき線を引かない。文字を読んでしま
 い全体像がぼやけるので。
 スピードを重視して全体像をつかむことを意識。

自分の言葉に置き換えて理解し、頭に残す。

効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法 Book 効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法

著者:勝間 和代
販売元:ダイヤモンド社
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『人間の覚悟』五木寛之 ★★★★★

 これまで期待しないで生きてきた。
 社会に期待しないし、友人にも恋人にも期待しない。
 会社にも期待しないし、結婚した今では、妻にも子ども
にも期待しない。
 
 例えば、妻だから家事をするのは当たり前と期待しない。
子どもは親孝行するもんだとは期待しない。社会や国が
自分を守ってくれるなん期待しない。
 
 虚無的で後ろ向きな考え方だと思われるかもしれないが、
決してそうではない。
期待していないからこそ何事も自分でしっかりやろうと
思う。はなから期待していないので、期待した結果が得
られず腹がたつということもない。期待していなから批
判的になることもない。もし、何かいい結果が得られた
のならば、期待していなかったから、その分喜びも大き
い。

 10年以上そうやって生きてきたが、この考え方には随
分助けられたと思っている。

 こういった考え方をするようになったのは、五木寛之さ
んのこれまでの著書の影響が大きい。
 
 本書は、これまでの著書以上に、「期待しない生き方」
に焦点を絞っていると思う。

 期待しないと覚悟して生きていく。
 これが生きにくい現在を生きていく私の哲学である。
 本書を読んで再確認できた。

《本書のポイント》

○諦める(明らかに究める)覚悟をもつ。

○自分が信じると選択したことに裏切られても後悔しな
 いと覚悟する。

○善意は伝わらないと覚悟する。

○人生は不合理だと覚悟する。

○一件落着主義はウソであると覚悟す。

○国や法律は守ってくれないと覚悟する。

○健康な体は決してないと覚悟する。

○最低限から考えてみる。

○体の声に従うことが大切。

○「中道」の考え方が大事。一方に偏らないという意味
 ではなく、両方大事という考え方。

○人は生きただけで偉大なのだ。

○いいことをしてもひけらかさない。(中国の「隠徳」
 という考え方)本田宗一郎氏の苦学生への奨学金の例

○資本主義は終焉の時期が来ている。

○統計などの数字よりも自分の実感を信じる。

○「格差」は、あることが問題ではなく定着すること
 が問題。

○躁から鬱の時代(下降していく時代)に入った。

○下降する社会と上昇しようとする摩擦が若者が感じる
 閉塞感につながっている。

○日本人は文明は西洋から取り入れたが魂までは取り入
 れていない。

人間の覚悟 (新潮新書 287) Book 人間の覚悟 (新潮新書 287)

著者:五木 寛之
販売元:新潮社
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『ムボガ』原宏一 ★★★☆☆

 「中国」と聞いて、いいイメージを持つ人は少ないの
ではないだろうか。
 とくに最近では、餃子などの食品問題が日本を騒がせ、
よりマイナスイメージを与えているのかもしれない。
 
 でも私は「中国人」に対してまったく悪い感情はもっ
ていない。
 もちろん食の安全が脅かされるのは困るわけだが、イ
コール中国人は悪いヤツだとはならない。

 それは、生活者という立場で中国人とともに1ヶ月間
生活したからかもしれない。
 短期間ではあったが、北京での留学生活は、中国人の
あたたかさに随分助けられた。
 また、中国人の国民性を肌で感じ、日本人との違いに
ときには驚き、ときには見習いたいと思った。

 「中国人」とひとくくりに書いたが、中国人にもいろ
いろな人がいた。
 いかにも中国人といった豪快さを持った人もいれば、
まるで日本人のように勤勉で繊細な人もいた。
 当然、いい人ばかりではないく悪いことをする人もい
る。それは日本人だって同じこと。
 
 日本に滞在している中国人が何か犯罪を起こすと、ほ
れみたことかと言わんばかりに、新聞やニュースからは中
国人、いや、中国という国自体が悪いように聞こえるの
は自分だけだろうか。
 
 日本人の犯罪だってあるし、日本人による食品偽装の
問題だってある。
 ひとくくりに中国人に対して悪い感情を抱いてしまう
のは悲しいことだと思う。

 外国人の刑法犯検挙率は日本人の半分以下という試算も
あると本書では言っている。
 一般のイメージとは乖離しているのではないだろうか。
 本書は、田舎町のオヤジバンドマンたちが、ひょんな
ことからアフリカで一躍有名になり、日本でもメジャー
デビューを目指す中年青春小説だ。
 だが、それだけではない。日本で働く外国人労働者の
差別問題が大きなテーマとなっている。
 外国人に対して、何か大事なことを考えさせられる小説
だ。
 

ムボガ (集英社文庫 は 34-1) Book ムボガ (集英社文庫 は 34-1)

著者:原 宏一
販売元:集英社
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『怪笑小説』東野圭吾 ★★★★★

 2ヶ月前に子どもが生まれた。男の子である。
 親がやっていたスポーツを子どもにもやらせたい。大半
の親はそう思うのであろう。かくゆう私もその大半であ
る。が、少し不安がよぎる。
 
 サッカーを本格的に始めたのは小学校の5年生だから、
かれこれ20年くらいがたつ。今だに続けているのだが、
振り返ってみてもたいした選手ではなかった。その親の
子がサッカーをしたところで、先はたかがしれている。
だったら、もっと可能性のある、トップになれるような
ものをやらせてあげるのが子どものためではないか。と
いう思いがよぎる。

 ただ、子どもがサッカーをすれば、自分も一緒になって
やれる。入れ込み具合も他のものに比べたら比較になら
ないのははっきりしている。だからサッカーをさせたい
のだがどうしたものか。

 トップをとれなくてもいいじゃないか。サッカーとい
う団体スポーツから学ぶものはたくさんあるはずだ。
 という後押しするような声が聞こえる。
 反論はしないが、弱肉強食がサッカーの世界。どの
スポーツでもそうだと思う。うまい奴が上で下手な奴が
下なのだ。上になる可能性が低いのにその世界の扉を開
けるのは少し勇気がいる。自分が下とまでは言わないが、
上ではなかったし、下の選手の苦労をたくさん見てきた
から。
 子どもに選ばせればいいじゃないかと思わないでもない。
でも、選べるような年齢になる前にはやらせたい。今は
生まれて2ヶ月。あと、三年くらいは考える時間があり
そうなので、今はとりあえずおもちゃのサッカーボール
を買うだけにしておこうと思う。
 
 数年後は、本書のなかの短篇のひとつ「一徹おやじ」の
父親のようになっていないとも言い切れないが・・・。

本書の短篇のうち私のベスト3を選んでみた。

〇満員電車の乗客の本音を巧みに表した「欝積電車」。

〇子どもをプロ野球選手にしたい父親の熱血指導に苦笑
 する「一徹おやじ」。

〇何かに夢中になれるってすばらしい。たとえこんな結
 末が待っていても。「おっかけばあさん」

怪笑小説 (集英社文庫) Book 怪笑小説 (集英社文庫)

著者:東野 圭吾
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『齋藤孝のざっくり世界史』齋藤孝 ★★★★★

 世界史というとカタカナの長い名前や主要な出来事の年
号を必死に覚えた。15年も前の高校生のとき、覚えにく
いカタカナの名前に苦労した印象が残ってる。

 ヨーロッパで起こったルネサンス。
 勉強したとは思うが、ミケランジェロやレオナルド・
ダ・ヴィンチ、文芸復興というキーワードしか記憶に
残っていない。

 とにかく暗記をしただけで、流れで理解していない
ので、ルネサンスという言葉を知っているだけで、ぜん
ぜん理解できていない。

 本書を読んで、恥ずかしくなった。いまさらながら
ルネサンスの意味を理解し、現在の西洋偏重の考え方
など現代とのつながりも垣間見ることができ、面白か
った。

 コーヒーとお茶などのモノを切り口に世界史を見る。
こうした見方は、現在のモノとのつながりが見え、世界
史により一層興味がわいた。

 学生のときのような単なる暗記ではなく、大きな流れ
で歴史をとらえ、現在とのつながりを考えたり比較した
りすることで、現代を生きていくための何かを得る。

 これが、社会人として歴史を読み解く楽しさであり、
意義だと思った。

《ポイント》

●近代化の源はヨーロッパ。
(ヨーロッパの大まかな流れ) 
 ヨーロッパの原点は古代ギリシア、ローマ帝国、エジ
プトを含めた地中海文明。
 直接民主政であり、政治と宗教は分離していた。
 392年にローマ帝国がキリスト教を国教としたこと
で、教会(神)が大きな力を持つようになる。
 いわゆる人間は神のしもべであり、あらゆるものは神
が生み出すという考え方。それがルネサンスにより、
教会(神)から脱却し「人間中心主義」となる。
十字軍によりアラビア文化が流入してきたことがきっか
けだとも言われている。さらに、ルターによる宗教改革。
これはラテン語で書かれていた聖書をドイツ語に翻訳し
たことで、教会による神の独占がなくなった。
 ミケランジェロなどの彫刻や遠近法も人間ってすばらし

いという人間中心主義の結果だと言える。

●資本主義はプロテスタントから生まれた。
 プロテスタントは厳しい禁欲。女性のヒステリーが多
いとも言われていた。働くとは神への奉仕。お金は貯ま
るが禁欲のため使わない。使うのは仕事のため。
これが今でいう投資であり、資本主義のはじまりとも
言われている。

●中世の教会の力は性行為まで介入していた。
 身体は忌まわしいものだから教会が支配(身体蔑視)
 それに異を唱え、肉体の復権を説いたのがニーチェ。

●帝国の野望は現代でも経済界や金融などフィールドは
 違うが存在している。

●公衆の面前での演説によりリーダーが決まるのはいか
 にも西洋的(古代ギリシア、ローマがルーツ)。

●コーヒーは「度を越してまでやる」という西洋文化を
 支えた。ここぞというときに飲むコーヒーと休みたい
 ときに飲むお茶。

●資本主義は人間の本性から出た自然なシステムであり、
 欲望を肯定。
 社会主義は、人工的なシステム。正論であり理想。
 マックスウエーバーは、社会主義は官僚の腐敗を生む
 とした。

●自国民を最も殺したベスト3は社会主義国。
 毛沢東、スターリン、ポル・ポト(カンボジア)
 それは、欲を無理やり押さえ込み理想を実現させよう
 とした結果。

●ドイツ人にもともとあったユダヤ人に対する差別意識を
 拡大したのがファシズム。

《興味深い内容》

●コカ・コーラーは原液のみを輸出し製法は輸出しない。、

●アメリカはもともとお茶文化だった。
 イギリスから紅茶に高い税金をかけられたためやむなく
 コーヒーを飲むようになった。アメリカンコーヒーが
 薄いのは紅茶が恋しいためという説もある。

●コーヒーのルーツ

●お茶のルーツ
 もともとは野菜の一種

 
●フランスの思想家は、現代は「記号を消費する時代」で
 あると言っている。

●「金」は、神の姿として考えられていた。

●9.11アメリカ同時多発テロの死者は3,000人
 報復といわれるイラク戦争の死者は15万人

齋藤孝のざっくり!世界史 Book 齋藤孝のざっくり!世界史

著者:齋藤 孝
販売元:祥伝社
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『文章のみがき方』辰濃和男 ★★★★★

(07/11/23 読了)

本書は、月2回エッセイを書いていた頃に読んだ本である。
文章の難しさを痛感し、文章の書き方を指南した本を読み漁った
時期であった。なかでも本書はベスト3に入る内容だった。

内容は文章テクニックというよりも、文章を書く上での心構えや
考え方が中心となっている。

私が文章教室に通っていた頃の先生が言っていた言葉、
「文章力(エッセイ)を磨くとは、生き方を磨くことである」
を説いている本が、まさに本書であると思った。

《ポイント》

●「毎日書く」ということは野球でいう素振りと同じ。

●「書き写す」ことは、
  ①自分の文章の下手なところがわかる。
  ②対比できる。(違いがわかる)
  ③型にはまった考え方や書き方をつきくずす助けとなる。
  ④心を揺さぶられた文章が心の自分史になる。
 
●これはといった本に出会ったら精読し、書き写したり、要約した
 り、感想を書いたりあらゆる形で本と対話し、とことん格闘し、
 座右の書として繰り返し読む。

●歩いて五感を働かせて素材を得る。歩くことと思いつくことは
 相関
関係がある。人の見ないところを見る。

●書く心構えとして「日々、小さな発見をする」ことが大切。
 本質をとらえる洞察力は鍛えれば強くなる。

●文章の修行はテクニックだけではなく、“五感”を鍛えること
 が大切。視覚だけに頼りすぎない。

●自分の言葉で書く。借りものの言葉、常套句ではダメ。

夏目漱石は、人生経験を積みあらゆることをよく考え、本を
 たくさん読めばいい文章が書けると言っている。
 また、ただ見たままをかくのではなく、自分で“解釈”して書く。

美文よりも内容が大事である。内容は思想や経験、五感
 から出てくる。

●わかりやすい単純な文章を書くには、言葉にこだわりを
 持つのがいい。
 どの言葉を選ぶのか。何を削るのか。修練がいる。

●削ることは、他の文章を際立たせるということ。
 文章の本質が浮かび上がる。

●比喩の工夫。直喩、隠喩、擬人法。

●異質なものを結びつけると文章にインパクトが出る。

文章のみがき方 (岩波新書 新赤版 1095) Book 文章のみがき方 (岩波新書 新赤版 1095)

著者:辰濃 和男
販売元:岩波書店
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『ほんじょの鉛筆日和』本上まなみ ★☆☆☆☆

 著者は本好きの芸能人とのことで以前から気になって
いた。

 ただ、「芸能人だから本が出せているんでしょ」という
少し偏見を持っていたため、気にはなっていたが、本を買
って読むまでには至らなかった。

 しかし、少し前に読んだ女優のミムラさんの「絵本日
和」がとてもよかったので、芸能人だからという理由で
敬遠するのはやめようと思い読んでみたのが本書である。

 本書は、文章が短く内容も小難しくないので、気負わず
さらっと読める。

 ただ、厳しい言い方をすれば、このエッセイからとくに
何かを得ることはなかった。あえて言えば癒されたかな
という感じ。

 自分としては、活字が読みたいとき、でも疲れていて
何も考えたくいときに読んだ本であった。

ほんじょの鉛筆日和。 (新潮文庫 (ほ-14-2)) Book ほんじょの鉛筆日和。 (新潮文庫 (ほ-14-2))

著者:本上 まなみ
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『人生、「不器用」に生きるのがいい』藤原東演 ★★☆☆☆

(07.11 読了)

《ポイント》

「自信」があれば何でもできるというのは短絡すぎる。
「自信」が相対的なものであれば、自分より優れた人に
出会えば、自信は劣等感や不安に変わる。
ありのままの自分を知り、認めることが「自信」だ。
まさに読んで字のごとく自分を信じるということだ。
 
 自分の性分をあるがままに受け入れるのだ。よいと
か悪いとかというモノサシは使わずそのままを知る。
 ただ、「自己愛」により心が乱れることがある。雑念
はとりあわない、ほっておくことが必要だ。

 呼吸を工夫、高いところにのぼり、日々の自分から一
歩離れることが心を保つ工夫だ。
 人生は因縁だ。損得や好き嫌いでとらえるのではなく、
因縁ととらえるのが人生の知恵だ。

 人に好かれたい気持ちは誰にでもある。外向型と内向
型それぞれに長所と短所がある。

 内向型は地道に物事を進め、自制心が強く出しゃば
らない。自分の内面を見つめ、人の痛みがわかる。
根が正直で妥協しない。

 人間関係において、外向型よりも人付き合いが下手。
それは自己愛が強いからである。


 自分の欠点を常にいましめ身体に染み込ませるには時
間がかかる。まずは内向型の特質を活かすことが人生の
知恵だ。

 クヨクヨすることはだれにだってある。ただ、人生は
限られた時間しかないのだから、クヨクヨを休むときも
必要だ。

 やめるのではなく休むのだ。

 心配事でクヨクヨしたとき、それを人生の糧として前
向きにとらえることができるかどうか。クヨクヨしても
心痛はせず

 心配りや工夫をすることを忘れてはならない。心労より
工夫に力を注ぐのである。 
 また、徹底的にクヨクヨする逆療法からも脱出のヒン
トが得られるかもしれない。

人生、「不器用」に生きるのがいい―トコトン悲しめ、トコトン楽しめ (祥伝社黄金文庫 ふ 8-1) Book 人生、「不器用」に生きるのがいい―トコトン悲しめ、トコトン楽しめ (祥伝社黄金文庫 ふ 8-1)

著者:藤原 東演
販売元:祥伝社
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『息の発見』五木寛之/玄侑宗久 ★★★☆☆

 高校生のときに所属していたサッカー部の練習は、必
ず最後にグランド10周があった。
 距離にして3キロくらいだったと思う。練習でヘトヘ
トになった体でグランドを10周走るのは結構キツイ。

 何かよい方法がないものかといろいろ考えた。

 そのひとつが呼吸の仕方であった。
 いろいろな呼吸を試してみた。2回スッスッと吸って、
同じリズムでスッスッと2回はく。2回スッスッ吸って
スーっと1回はく。鼻で吸って鼻ではく。鼻で吸って口
ではく。

 いろいろ試してみて思ったのは、長距離を走っていると、
呼吸の仕方で疲労の度合いがずいぶん変わるのである。

 走るリズムと呼吸のリズムが同調すると、心地よく走
れるときがある。

 この状態に達すると今までキツかったのが気持ちいい
と思えるのだ。

 この体験から呼吸が身体に与える影響を大きいことを感
じ、呼吸に気を使ったものである。ただ、それはスポー
ツをしているときだけのこと。

 ふだんの生活ではとくに意識してこなかったが、齋藤
孝氏の『呼吸入門』を読んで、ふだんの生活でも意識す
るようになった。

 ただ、それもだんだんなくなり、本書を読んで再度、
呼吸の身体に与える影響を認識し、呼吸に目を向けるよ
うになった。

 本書によれば、呼吸をするときに意識をもっていったと
ころの酸素交換が盛んになってあたたかくなるらしい。
しかも下痢や風邪を治してしまうこともあるという。

 呼吸法ははるか昔から身体を健康に保つひとつの方法
として注目されており、かのブッダも呼吸法を説いて
いるくらいである。

 ただ、呼吸法といっても難しく考える必要はないと思
う。本書で五木寛之氏が言っているように自分が気持ちよい
方法でやればいいのである。

《ポイント》

●人間の生命活動を考えるとき、一番の基礎は呼吸。水
を飲まなくても1週間は生きられるが、息ができなくて
はすぐに死ぬ。

●ふだん息をほとんど意識することがないが、日常のさ
まざまな場面で知られざる息のはたらきがある。

●息の発見とは、いのちへの気づき

●呼吸法はどれが正しいというのはない。自分の体の声
を聞きながら、自分にとって一番いい息づかいを自分で
見つけるしかない。

書きとめておきたい言葉》

●息という文字は、「自」と「心」と書くように、その
ときのこころの状態を映すもの
 「息が合う」「息が通う」「息がかかる」

●息を吸うときには、息を吸っている自分に気づこう。
吐いているときには、吐いている自分に気づこう。喜び
を感じながら意気をしよう。心を感じつつ、心を静めて
呼吸をしよう。心を安定させ、心を自由にとき放つよう
に息をしよう。そして、無常を感じ、生の消滅を感じ、
自己を手放すことを意識しつつ呼吸しよう(ブッダの言
葉)

《興味深い話》

●~脳死は人間の本当に死といえるのか~
 ニワトリの卵とウズラの卵の書くを入れかえて、ニワ
トリのヒヨコにウズラの羽と脳が発生するようにした実
験。
 ふ化するとふるうのヒヨコは黄色いがウズラの核を
移植されたほうは頭が黒くて、ウズラの脳と羽を持って
生まれてくる。
 ヒヨコはピーピー鳴くがウズラを移植されたほうはピ
ッピッピと鳴く。だんだんニワトリとしての免疫の体系
が成長してくると、この翼は自分の翼ではない、非自己
であると否定する。やがて翼が腐って落ちる。
 その次に、この脳は私の脳ではなないと免疫系が否
定する。すると脳が腐ってヒヨコは死ぬ。
 
 免疫系が優位に働くということは、脳死は人間の死で
はなくて、免疫の体系が活動を停止したときが、人間の
死ではないかという考えになる。
           (『免疫の意味論』多田富雄)

息の発見 Book 息の発見

著者:五木 寛之,玄侑宗久
販売元:平凡社
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