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2008年10月

『ワンランク上の問題解決の技術』横田尚哉 ★★★★☆

 世の中のすべての「モノ」は、何らかの意図を達成しよ
うと思い、ある手段を選択した結果が表現されたものであ
ると本書はいう。

 どいういうことか。

 自分の身の回りのことを考えてみる。

 例えば、箸という「モノ」は、食事という意図があって、
長い棒を2本作った結果が、箸という「モノ」である。

 そこには食事をするという目的があり、それを達成する
ためには、スプーンやフォークという手段だってある。

 この例は単純化しすぎたが、「モノ」にとらわれすぎ
ると、物事の本質が見えなくなるということを感じる。

 問題解決の肝は、当たり前のことだが、問題の本質をえ
ぐることだ。

 どうえぐるのか。

 その一つの切り口が前述した考え方。本書のすすめる
「ファンクショナル・アプローチ」が参考になる。

「ファンクショナルアプローチ」の根本となる考え方は、
『今していることは「何のために、誰のために」してい
るのか、という視点をもつことであると私は解釈した。

 この視点は、私が入社したときの上司が口をすっぱく
して言っていたことなので、今でも常に意識している。
 そのおかげで、物事の本質をとらえた問題解決のアプ
ローチをしようとはしている。

 これまで、単純な問題であればその視点を意識すること
で解決に役立っていた。だから、本書の「ファンクショ
ナル・アプローチ」の4つのステップはわざわざふまな
くてもよい。

 ただ、複雑な問題に直面したときには、その視点を意識
するだけではなく本書の「ファンクショナル・アプローチ」
のステップを大いに試してみたいと思った。

《本書のポイント》

●問題解決で重要なのは「問題の認識」と「改善点の特定」

●問題解決=「改善点」×「解決手段」
      「何を」「どのように」改善すればよいのか

●「解決手段」は「外」、「改善点」は「内」にある。
 ⇒手段にこだわるのではなく「改善点」に着目する

●過去を手放し、未来のあるべき姿から発想する
 ⇒「未来の具現化」

●「手段志向」よりも「目的志向」に 
 例)上司:「次回の会議は重要な会議で君に運営を任す」

   →「どのように運営すればいいのか」(手段志向)
   →「何のために運営すればよいのか」(目的志向)

●改善点を見つける5つのアプローチ
 ■仮説検証法
   仮説にしたがって原因を取り除く
 ■品質管理法
   起こった結果をもとに発生したプロセスにさかのぼる
 ■情報解析法
   データを収集し、個々の要素の相関関係を分析
 ■類似置換法
   過去の事例をパターン化し類似のパターンにあてはめる
 ■機能分析法

   対象から機能を抽出するファンクショナル・アプローチ

●ファンクションとは、意味、意図、働き、役割、目的、
 効用、効果、性能、理由、機能。
 その結果として「モノ」や「コト」として表現されている

●「ファンクショナル・アプローチ」のステップ

 1 準備
   ■問題の理解
   ■問題の分解

    部品、工程、空間、使い方単位
  
 2 分解
   ■ファンクションの定義
    「~を~する」
   ■ファンクションの整理
     目的と手段をFASTダイアグラムで整理
   ■キーファンクションの抽出
   ■インプット量とアウトプット量の測定

 3 創造
   ■アイデアの発想
   ■アイデアの整理

 4 洗練
   ■アイデアの練り
    ・アイデアの利点⇒伸ばす⇒欠点⇒欠点を除く
   ■アイデアの組み合わせ
   ■価値の確認
    ・インプット量とアウトプット量の測定
   ■効果の評価

《書きとめておきたい言葉》

○目の前の課題を解決することに意識をとられてしまい、
 その未来にどんな最終目的があるのかを見落としがち。
「木を見て森を見ず」にならないよう常に俯瞰的な視点
 を身につけておくことが大事。(以下の寓話参照)

○轍(わだち)理論
 人の行動は偶然→習慣→当たり前→規律→拘束と変わ
 っていく。固定観念ができあがるプロセス

○ブレインストーミングの4つのルール
 ・自由奔放
 ・批判と議論厳禁

 ・アイデアの量を求む(質より量)
 ・アイデアの改善結合

《興味深い寓話》

「レマン湖の釣り人」

 スイスのレマン湖という大自然に囲まれた湖に、日本人
が観光に訪れました。近くの湖畔でボーと釣りをしている
釣り人を見かけ近づいて、こう言いました。
 「魚がこんなにたくさんいるのだから、網を使えばいっ
 ぱいとれますよ」
  すると釣り人は「網でたくさんの魚をとってどうする
 のですか?」と聞き返しました。
 「魚を市場にもっていけば、いいお金になるじゃないで
 すか」
 「お金に換えてどうするのですか?」
 「お金があれば、この湖のほとりに別荘を建てることも
  できるじゃないですか」
 「別荘を建ててどうするのですか?」
 「別荘があれば、一日、ボーと釣りを楽しめるじゃない
  ですか」
 「・・・・・・」

★目の前の課題を解決することに意識をとられてしまい、
 その未来にどんな最終目的があるのかを見落としがち。

ワンランク上の問題解決の技術《実践編》 視点を変える「ファンクショナル・アプローチ」のすすめ Book ワンランク上の問題解決の技術《実践編》 視点を変える「ファンクショナル・アプローチ」のすすめ

著者:横田 尚哉
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表現の原点は自身の感動!『日経ビジネス Associe (アソシエ) 2008年 11/4号』★☆☆☆☆

今までの自分の手帳の活用術のワンランク上を目指して、
本書を読んだのだが、これといって収穫はなかった。
 しかし、手帳とは関係ないが、本書に掲載されている
福山雅治さんの記事が印象的だった。

 俳優のみならずミュージシャン、写真家など、さまざまな活動
をしている福山さんの表現の原点は「自身の感動」にあるそうだ。

以下、本書の抜粋。

「雑誌「Switch」(2008年1月号)では、表現の原点が「自身の
感動」にあると語っている。「まず自分が何かに感動したんです
よ。感動を(中略)色んなものからもらった。だからボクは感動
を返したい。与えたい。」

ふと、一昔前に考えていたことを思い出した。

 学生時代、五木寛之氏の本を読んで生きる勇気をもらった。
そのとき、文章の威力をはじめて知り、自分も文章を書くことで、
自分と同じように思い悩む人たちに生きる勇気を返したい、と
考えていた。

そんな淡い想いは実現できていないが、せめて、本を読んで
感動したり、勇気をもらったら、このブログのなかにそっとしまって
おきたいと思った。

日経ビジネス Associe (アソシエ) 2008年 11/4号 [雑誌] Book 日経ビジネス Associe (アソシエ) 2008年 11/4号 [雑誌]

販売元:日経BP出版センター
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『私塾のすすめ』齋藤孝/梅田望夫 ★★★★☆

 ネットを学びの場としてとらえることができるのか。
 そんな疑問と期待をもちながら本書を読んだ。

 私はネットの可能性を信じている。

 だから学びの場としてのネットの活用にも期待をして
いる。ただ、ネットを学びの場として考えるにも具体的
なイメージが湧かない。

 その切り口として、本書の「私塾」と「志向性の共同体」
がキーワードになりそうだ。

 何かのテーマに対して興味のある者がネット上でコミュ
ニティを作り、意見交換をしあう。

 以前、私は中国語を学習していたとき、仕事と中国語
学習の両立をテーマにブログを書いていた。そこでは同
じ境遇の人からアドバイスをいただいたり、情報交換した
り、励ましあったりした。本書でいう私塾とまでは言え
ないだろうが、確かにそこには中国語学習に興味を抱く
人たちが集まり、お互いが学びあう空間があった。

 中国語の学習をやめた今、新たにそんな空間を持ちたい
と思う。

 同じテーマのもとに好きな人たちが集まり、意見交換
や情報交換、ときには励ましあえる場があるとよいと思
う。それは現実の世界で作ればいいのだろうけど、同じ
興味をもった人と身近で知り合うのはそんなに簡単には
いかないこともある。

 しかし、ネットを活用するこで、全国各地の人たちと
出会う可能性が広がるのだ。
 
 そのテーマが今の私では「読書」になるだろうか。
自分の志向性が定まっていれば、ネットはその志向性を
深め、広げてくれるすばらしい道具となるだろう。

 だから自分の志向性を知るというの大事なことである。
これからのネット生活では現実生活と同様に人との出会
いを大切にして、同じテーマを志向する人たちとの関係
を大切にしていきたい。それには、自分を包み隠さずコ
ミュニケーションをとることが必要なんだと思う。

《本書のポイント》

●自分とおなじものに興味がある人を身近に探せない
 ほうが普通だが、ウェブはそれを探すことができる道具
 である。

●モチベーションがない人に対するアプローチは「あこ
 がれ」と「習熟」。「習熟」とは限定的な成功体験。

●日本人は「ノー」と断られることに対して弱い。人格
 を全部否定されたように思ってしまう。しかし、「ノー」
 が当たり前と受け止めなければいけない。

●幸せのハードルを低めに見積もっておくと判断基準が
 シンプルになり、必要ないことが先にわかってくる。

《書きとめておきたい言葉》

●「伝記」が心の骨格を作る。

●ロールモデル思考法

●「直感」を信じる。それは自分がいいなと思ったことに
 「自信」をもつということ。自信をもつと、そこに
 「行動」が生まれる。

●ネットでの反応は9割がOK。20%は自分と親和性が
 高く70%は常識的。5%が傷つく内容だが、大部分が
 褒めてくれる。それが幸福感につながる。喝采体験だ。

●人から断られるのが当たり前という諦観がベースにある。

●ある一定量をこなさないと質的変化がおこらない。

●自己内対話。自分のなかの他者と対話する。読書という
 のは自分のなかに自分の味方となる他者を住まわせること。
 自分の中に、味方となる他者をたくさんつくっておくと、
 現実の他者と話したときにその人が他者のうち「ワン・
 オブ・ゼム」になる。その人が絶対的ではなくなる。

●数あたらないといい人と出会えないから、断られたくない
 という考えを克服しなければいけない。

●言葉というのは心の浄化機能として大きな役割を果たす。

●言葉を大事にして、それを励ましにして、それを生きる糧
 にするとか、本のなかに出てくる人の時間の流れ方がいい
 なと思うことやその本の中に何か自分は魅かれているのか
 ということから、自分の志向性を発見しようとするとか。
 ⇒「心で読む読書」「生きるために水を読むような読書」

●「ビジョン」「アイデア」「スタイル」の3つの概念を
 よく意識する。(齋藤氏)

●何かを始めようとすれば、何かを諦めなければいけない。

●自分の人生をデザインする力。見通し力のない、ただの
 真面目さだけでは厳しい時代になってきている。

私塾のすすめ ─ここから創造が生まれる (ちくま新書 (723)) Book 私塾のすすめ ─ここから創造が生まれる (ちくま新書 (723))

著者:齋藤孝 梅田望夫
販売元:筑摩書房
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『手帳200%活用ブック』日本能率協会マネジメントセンター ★★★☆☆

(05’ 読了)

 手帳の切替時期なので『手帳フル活用術』を読んで
手帳の活用のレベルアップを図りたかったのだが、
期待はずれだったので、本書を再読した。
 
 すでに活用できることは活用していたが、南場智子
さんの次の言葉が心の琴線に触れたので書きとめて
おく。

「あれもこれもと、たくさんのことをするべき」と思い
込んでいる気がします。たとえば、休日の過ごし方でも
そう。映画を見て、買い物をして、本も読んで…と、い
ろいろやりたがる人が多いですよね。でも、実は、好き
な本を1冊読むだけのほうがリラックスできるし、気持
ち的にもラクなはず。無理をせず身の丈にあったことを
すればいい。

手帳200%活用ブック

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『手帳フル活用術』中島孝志 ★☆☆☆☆

 そろそろ来年の手帳を買う時期だ。
 私は、システム手帳のため、リフィルだけを毎年買っ
ている。

 リフィルは、見開き1週間のバーチカルタイプを使用。
このタイプは入社して10年ずっと愛用しているので、
手になじんでいて使いやすい。

 いつも買うリフィルは、ノックスカンパニーのもので、
数あるなかからこれが一番しっくりくる。
 平日の欄が広く、時間の区切りが8時~21時の
コアタイムのみというものが決め手だ。2009年版は
今までと少し改訂されたが、今回もこれを買った。

 ちなみに、システム手帳は、3年ほど前にけっこう研究
して、探しまわって買った。
 結局、銀座の伊東屋の手帳展で納得できるものに出会
った。ラム革のワインレッド(A版)のものだ。確か2万
円くらいだったと思う。手帳で2万円をかけるのもどうか
と思ったが、手帳はライフプランを左右する重要なもの、
そして一生ものと覚悟を決め、買ったのだ。

 2005年から愛用しているから今年で4年目にはいる
が、味のある色落ちがではじめ、ますます愛着が深まって
いる。たまに他の手帳に目移りすることもあるが、一生
使い続けると心に誓った数少ないアイテムである。

 さてさて、前置きが長くなったが、手帳の切替の時期
ということもあって、手帳の活用術の本を読んでみたく
なり、本書を読んだ。
 3年前、システム手帳を買うときに読んだ『手帳20
0%活用ブック』
以来の手帳活用本となる。

 最近、システム手帳のメリットを活かしきれていない
と思い始めていたので、手帳の活用のアイデア術を知り
たかったのだが、ちょっと期待はずれの内容であった。 
 本書は、夢の実現や人生計画についてページを割いて
いる。ネットで購入したので、中身を十分吟味できずに買
ったので的外れとなってしまった。そういう意味で星ひと
つの評価にしたのであって、内容自体に的を得ている人で
あればそれほど悪くない本だとは思う。
 結局、以前読んだ『手帳200%活用ブック』を再読
することとなってしまった。
 

本書を読んで意識しようと思ったことは以下のとおり。

【新たに意識しようと思ったこと】
 
 ●月や週の目標・課題を記す習慣づけ
 
 ●手帳を整理(予定・目標・課題の確認、見直しなど)
  する時間を組み込む
 
 ○略語
  T→  当方より電話 
  T←  先方より電話
 
 ※漠然と心の中で思っているよりも実際に手帳に記す
  ことで明確になり意識がしやすくなる!
  よって、とにかく思っていることはすべて手帳に書く
  意識を持つこと!

【再度意識しようと思ったこと】 

 ●一日に何度も手帳を開き予定や目標をチェックする

 ●タイムスケジュールだけではなく必要なコト・モノ
  を記す 
   例えば持込む資料、何をしに行くのか、どんな目
   標があるのかなど
 

 手帳については、いろいろ試行錯誤して、自分なりの考
えやスタイルを持っているので、それはまたの機会に書
きたいと思う。

手帳フル活用術―仕事の達人、27人の「手のうち」! (知的生きかた文庫) Book 手帳フル活用術―仕事の達人、27人の「手のうち」! (知的生きかた文庫)

著者:中島 孝志
販売元:三笠書房
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『床下仙人』原宏一 ★★★★★

 サラリーマン社会の苦悩を奇想天外なストーリーとユー
モアで包み込んだ、
  笑いながらもサラリーマン社会の現状を考えさせられる
社会人として同感できる小説だった。

 表題作を含む5扁の短篇小説だ。

  ・床下仙人
  ・てんぷら社員
  ・戦争管理組合
  ・派遣社長
  ・シューシャイン・ギャング

 思いもよらない奇想天外さが三崎亜記の『バスジャック』に
通ずるとこともあったが、サラリーマンをテーマとしている点で
サラリーマンの自分にとっては、より現実感があり共感できた。

 とくに派遣社員と一緒に仕事をしている正社員の自分とし
ては、「派遣社長」を笑いながら読んだものの、現実に起こ
ったら?と思わず身震いをしてしまった。
 
 もう一度読んでみたい本のひとつとなった。

床下仙人 (祥伝社文庫) Book 床下仙人 (祥伝社文庫)

著者:原 宏一
販売元:祥伝社
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『アヒルと鴨のコインロッカー』伊坂幸太郎 ★★★★★

(07年9月読了) 

 いつもちょこっとずつ読む自分が一週間で読みき
った。 続きがきになってしょうがなかったのだ。

 現在と過去(2年前)のそれぞれの話が進み、現在と
過去が重なり合ったときは、思わず「あっ」と声をあげ
たくなるような驚きがあった。

 別々にあった脳の回路がつながって心地良い感じ。
  

 (以下、ネタばれ注意!)


 現在の主人公「椎名」、そして「河崎」と思いきや
じつは「ドルジ」が繰り広げる少し奇妙で不思議な関係
はほほえましかった。
 
 一方、過去の主人公「琴美」。「河崎」と「ドルジ」。
恋の三角関係が展開されるのかと予想していたが、そう
ではなく、悲しい事件につながっていった。

 最後に「琴美」が轢かれて死に、「河崎」がエイズを患
いうつした女性の死をきっかけに自殺、ドルジの復讐劇
と、予期せぬ展開には圧巻だった。

 「人生を楽しむ方法は、車のクラクションをならさな
いことと細かいことを気にしないこと」


という琴美のことばが印象に残っている。
 
 小説を読むことの楽しさや脳の心地よさを感じた一冊
だった。

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『大河の一滴』五木寛之 ★★★★★

(99年読了) 

 この本との出会ったのは、今から10年くらい前の
大学4年のときだった。

 それからの生き方を大きく変えた大切な本である。
 根っからのマイナス思考で、悶々としていた私に
そっと手を差し伸べてくれた思いだった。

それが、本書にあったマイナス思考からの出発という
考え方であった。この考え方にはずいぶんと救われた。

 他人に期待しない。人生に期待しない。

 少し虚無的ではあるが、私にはすっと腹におち、肩の
荷が軽くなった。魔法の言葉をもらったようで、目の前
がぱっと広がった思いだった。今でもこの考え方は、
私の思想の根本をなしている。
 
 また、世の中を鋭く切り取る著者の視点は、新鮮だっ
た。当時、私は世の中で起こった出来事をただやる過ご
すだけで、自分なりの考えや思いなど考えようともしな
かった。

 本書を読んでからは、世の中の出来事について目も
向けるようになり、自分なりのとらえ方を意識するよう
になった。人生の幅が広がる思いだった。

 それからというもの、著者の虜になり、今まで出版
されているエッセイ関係の本はすべて読み漁り、新刊は
今でも読み続けている。

 それだけでは、満足できず著者の講演会などがあると
東京だろうが大阪だろうが追っかけるようになった。

 さらに、昨年、念願の五木氏とことばを交わすことが
できたのだった。

 今でこそ完全に五木氏の信者である私だが、その出発点
はこの本だったのだ。

《元気が出る言葉》

○結局は、時間が解決してくれるのを待つしかないのだ。
 時の流れは、すべてを呑み込んで、けだるい日常生活の
 くり返しのなかへ運びさってゆく。待つしかない。
 それが人生の知恵というものだろう。

○人生というものはおおむね苦しみの連続である、と、
 はっきり覚悟すべきなのだ。

○何も期待しない覚悟で生きる。
 親は子に期待してはいけない。子も親に期待すべきで
 はない。人を愛してもそれはお返しを期待することで
 はない。(中略)
 だから夫は妻に期待すべきではない。(中略)自然に

 持続することを無意識に期待するのは、まちがっている。

○私という自分二つある。(略)すべての人間と共通して
 いる自分と。だれとも異なるただひとりの自分。その
 二つの自分は、ときとして対立し、ときとして同調する。

○生きた、ということに人間は値打ちがある。どのように
 生きたかということも大切だけど、それは二番目、三番目
 に考えればよい。生きているだけで人間は大きなことを
 成し遂げているのだ。

○マイナス思考のどん底のなかからしか本当のプラス思考は
 つかめない。

《書きとめておきたい言葉》

○私たち哺乳類は一生のあいだに約5億回の呼吸をあたらえ
 られて生きている。
(「ゾウの時間ネズミの時間」本川達雄)

○人間の傷を癒す言葉には二つある。ひとつは「励まし」で
 あり、ひとつは「慰め」。
 慈悲の「慈」が励まし、「悲」が慰め。

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■本を読んだ後、ブログに何を書くか!?

 近頃、何をこのブログに書くか迷う。
 今までは、本の内容の簡単な概要とオススメ度合いを書
いてきた。

 ただ、梅田望夫さんのブログの記事を読んで思った。

 このブログを自分自身にとってもっと役立つものにしよ
うと。それは、梅田さんの言うところの「脳の外部記憶
装置」をこのブログの機能にもたせようとするものだ。

 だから、タイトルも「知識の倉庫」をサブタイトルで
追加した。人間の頭脳は「倉庫」と「工場」でできている
という『思考の整理学』の外山滋比古氏の言葉からとった。 

 このサブタイトルどおり、本から得た自分にとって有益
な知識をこのブログに蓄えておき、忘れてもすぐ見直せる
ようにしておく。しばらくしたら、「工場」で自分の考えを練
るのだ。

 結構面倒なことかもしれないが、面倒になったときには
『線と面の思考術』の袖川芳之さんの次の言葉を思い出
すことにしよう。

「読んだという自己満足だけでなく、それがいつも目に見
える形で残っていて再度自分でインプットし直せる環境を
作りましょう。時間のかかることではありますが、生涯使
える価値の高い回り道。」

 そういう意味で過去に読んだ本も随時、このブログに
書いていこうと思う。

 そしてもう一つ。
 それは本の内容と自分をシンクロさせて、それをこの
ブログに書く
ということ。

 自分の生活と絡ませて考えるとどうなのか、自分の考え
や主張と比べてどうなのか、など、自分という網をくぐら
せたとき何がひっかかるのかを書けたらよい。

 それは、齋藤孝氏もよく言っていることがだが、ミムラ
さんの『ミムラの絵本日和』を読んでそう思った。
 本の内容と自分をうまくシンクロさせているお手本で
ある。

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『超「超」整理法』野口悠紀雄 ★★★★★

「分類するなひたすら検索せよ。」

 本書の肝となっている言葉である。
 グーグルに代表されるように検索機能は数年前に比べる
と格段に上がっている。
 分類する時間を別の時間にあてたほうが効率的なのだ。
 ただ、注意しなければいけないのが、分類はしないが、
検索しやすいような工夫が必要だ。それが、本書でいう
「ラベル方式」や「タイトルの規則性」であろう。

 Gメールなどを活用したファイルのオンライン格納や
メールのログによる仕事の進捗状況の確認、FAXより
もPDFの活用といった点は、すでに意識して取り組んで
いるので、これといって目から鱗がおちるものはなかった。

 私の場合は、オンラインによるデータ保存は「はてな
ダイアリー」を非公開にして活用している。
 ふだんは日記として利用しているのだが、思考中のこと
を保存して、どこでも作業ができるようにしている。
 また、作業中の文章は、Gメールの下書きに書いておく。
完成したら自分あてにメールを送っておけるのがよい。

 どちらも携帯電話からもアクセスできるので、重宝して
いる。
 ちなみに、ネットのお気に入りも「はてなブックマーク」
を活用している。おそらく携帯電話からアクセスできる
唯一のネット上保存のブックマークではなかろうか。

 最近は、携帯とPCの連動性を重視しているので、PC
の内容と同程度の情報を携帯で見れるサービスを選んで
いる。

 ただ、ワードやエクセルなどのファイルの保存はPCの
HDDに頼っているので、Gメールでの保存を活用したい
と思った。

 また、本書を読んで、PDFの活用は今まで以上に幅を
広げることが必要に感じた。
 紙ベースでの保存が難しい雑誌や新聞の切り抜きは
PDFにしておくと検索もできて便利だ。
 時刻表もPDFにして携帯に保存しておくと重宝する。
 手紙や子どもが書いた絵(今はまだ書ける歳じゃない
けど)なども保存が難しいためPDFにして実物は捨てて
もよいかもしれない。大事なのは実物ではなく情報なのだ
と本書では言っているが、いざ捨てるとなると躊躇しそう
ではあるが。

 これを実践するには、まずは「スキャナー」買わなきゃ。

《本書のポイント》

●デジタルオフィスの構築
 ■Gメールのログのストックが「自分のデータベース」
 ■Gメールのラベル機能により検索力をあげる
 ■ファイルのオンライン格納
 ■デジタルオフィルは、「ペーパーレス」を意味するわ
  けでない。紙とデジタルの特徴を使い分ける
  最初(入力)と最後(出力)は紙のほうが便利
 ■何を電子化し何を紙で処理するかの正しい見極め
 ■捨てることができないものや整理がしづらいものは
  PDF化をするか、デジカメで撮影しデータ化する

 重要なのは、細かい方法論ではなく「考え方」。
 データのオンライン格納とどのような能力を磨くかの
 見極めが重要。

●知的生産力の向上のために
 ■これから必要となるの力は「検索力」
 ■ファイルのタイトルの規則性が重要となる
 ■デジタルデータは捨ててはいけない。ひたすら保存
  して検索すれば何かの発想支援に役立つ
 ■情報を消費するだけではなく積極的に発信することが
  大事。
 ■知的作業の重要課題→人間が「考え抜く」しかない
  ○問題設定
  ○仮説の構築
  ○モデルの活用

《キーワード》

●分類するなひたすら検索せよ
●「フォルダ方式」と「ラベル方式」
  フォルダ方式のデメリットは、「こうもり問題」と
  体系の組み換えが困難なこと。
●押し出しファイリング
●ポケット一つ原則
●無意識の発想
  寝る前に材料を仕込む

《書きとめておきたい言葉》

●使っているうちに使い勝手が良くなるシステムでないと
 機能しない
●検索とは「無秩序なものを秩序立ててみるための魔法の
 めがね」
●世の中の事象はすべてが同じ重要度を持つわけでは
 ない。だから、すべてに等量の力を傾注するのは賢明
 なことではない。「重要なことは何か」を正しく見極
 め、それに努力を集中すべきである。
●プッシュを受けるだけで満足しているのは、問題意識
 がないからだ。1日中テレビの前に座っていられるの
 は、知りたいことがないからだ。もしあれば、そんな
 無駄なことに時間を浪費するわけにはゆかない

●「下流に落ち込みたくない」と考えている三十代の人
 は多いが、その心配は必要がないものではない。ただし
 そのために手段は書店に並んでいるビジネス書から
 プッシュを受けることではない。プルができる人間に
 なることだ。

超「超」整理法 知的能力を飛躍的に拡大させるセオリー Book 超「超」整理法 知的能力を飛躍的に拡大させるセオリー

著者:野口 悠紀雄
販売元:講談社
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『聴き方革命』出口光 ★★★☆☆

人は同じことを聞いても人によってとらえ方が違う。
それを本書では聴き方の違いとし4類型で整理している。

・達成的傾聴の「勇」
  自分にできるのだろうかという観点で聴く
・親和的傾聴の「親」
  自分は何をしてあげられるのかという観点で聴く
・愛情的傾聴の「愛」
  自分も何かしてあげたいという観点で聴く
・論理的傾聴の「智」
  なぜそうなるのかと冷静に分析しながら聴く

 自分がどの類型にあたるのかを知り、相手の聴き方への
対処法を知ることで円滑なコミュニケーションがとれる
という。

 さらには、この4つの聴き方を自由に操る統制的な
自分をつくることで本当の自分を知ることができる。
 

 聴き方というよりは、性格分析からみたコミュニケーショ
ン技術のような気がしないでもない。

 ただ、単なる性格を4つに分けただけではなく、すべて
の聴き方ができるように、さらには前述したようにそれら
をコントロールできる自分が必要だとしている点は奥深い。

 そして、自分は間違いなく「智」である。
 
 興味深かったのが、本書に書いてある「智」の聴き方を
する人の価値観はほとんどが自分にあてはまっていた。
 例えば、
  ・自分なりの美意識を貫き、興味を探求する人生
  ・理解できるかどうかという観点で聴く
  ・失敗したくない、無駄をしたくない

 
 本書を読んで、自分のとらえ方の癖を知った上で、別の
角度からのとらえ方や見方ができるようにする必要があ
ると感じた。
 それが幅広い人間形成につながる。さらには、一歩ひ
いて自分自身を見ることができるもうひとりの自分を感
じることができなければいけない。
いわゆる「俯瞰して見ることができる第3の自分」とい
ったところだろうか。

 フロイトでいうところの本能的欲望を司る「エス」と
理性的な「自我」をうまくコントロールし、善悪を判別
して良心の働きをする「超自我」だ。

聴き方革命 スーパーリスニングならすべてはうまくいく Book 聴き方革命 スーパーリスニングならすべてはうまくいく

著者:出口 光
販売元:徳間書店
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『遊行の門』五木寛之 ★★★★☆

 私は福祉を仕事にしているので、高齢者と接する機会は
多い。
「面倒かけてすまないね」と本当にすまなさそうに詫びる
高齢の方は多い。
 元気な方でも、人の助けを得なければいけない状態が
来ることに恐れおののいている。 
 それは、当たり前のことかもしれない。
 ただ、本書の言う「遊行期」、子どもに還っていく時期
なのだ。
 本人よりも関わる我々が当然のこととして理解していな
ければいけない。

 

「遊行期」、すなわち人生の最期は、子どもに還って
遊び、戯れる時期であるという。

 体が不自由になり、人の助けがないと日常生活がおくれ
なくても、まして下の世話をしてもらうことになっても、
それはあたりまえのことなのだ。

 幼な子はみんなそうなのだ。
 何も恥じることはない。人はみんな人の世話になって
下の世話もしてもらい、育ってきたのだ。

 子どもに還るとは、その道を戻っていくことなのである。

 本書は、遊行期の話だけではない。格差社会や鬱の話し、
鬱と躁の考え方で時代をみた、著者の独自の視点もたくさん
盛り込まれている。

 以下、印象に残った言葉を自分の言葉でまとめておく。

《書きとめておきたい言葉》

○格差社会が最近話題となるが、そもそも人間は産まれた
 ときから格差を背負っている。

○人は生きているだけで価値がある。

○ブッダは自分の思想を書物に表していない。
 人々に語ったのだが、独白ではないことが重要である。
 文章であっても独りで書くものだ。
 あくまで対話、質問に対しての答えが重要としている。

○最近の医学は、細分化し、何かと人間生活の乱れに対し
 ひとつひとつ病名をつけ、病気のうちに入れてしまう
 傾向がある。高血圧しかり、ウツ気分しかり、メタボ
 しかり。

○明るさと暗さは人生の両輪。

○生きることは、楽しさだけではなく、鬱という思い荷物
 を背負って歩くことと覚悟する。

○常に変化し、老いていく体と心をできる限り安定した
 状態に保つための工夫が養生である。

遊行の門 Book 遊行の門

著者:五木 寛之
販売元:徳間書店
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『売れるネーミング発想塾』齋藤孝 ★★★★★

 本書はネーミングの手法を紹介したものである。

 著者は、ネーミングは「一言で伝える力」や「発想力」
が必要であるという。

言わばビジネスマンに必要なスキルに直結している。

 そういう意味ではネーミングを必要としない仕事に就い
ている方にも本書は参考になる部分も多いのではないだろ
うか。
 
 それに、ヒット商品のネーミングの理由などトリビア的
なネタもあり、結構楽しめる。

「ムヒ」は天下無比、
「キヤノン」は観音
「コクヨ」は国誉
「正露丸」は日露戦争当時の「ロシアを征する」

が由来になっているなど、「そうだったのかぁ」と知的
好奇心がくすぐられる。

 本書のいうネーミングの手法はいたってシンプルだ。
ネーミングマップを埋め、そこからよりすぐりのものを
選ぶだけだ。

 ただ前提として自分なりの思いがそこになくてはならない。
 ネーミングマップとは「系」を横軸、「型」を縦軸と
したネーミングのアイデアが生まれやすいような視点を網羅
した表である。

 「系」は2種類「説明系」と「イメージ系」があり、
「型」は多様である。

 「説明系」とは製法や使い方を説明したネーミング、
「イメージ系」はそのネーミング対象のものを使ったり
見たりしたときのイメージでネーミングしたものをいう。

 例えば飲料水の「十六茶」や「生茶」は「説明系」、
「BOSS」や「Qoo」は「イメージ系」である。

 以下は、ネーミングマップにネーミングの例を示した
ものである。

 活用するときは、この横軸と縦軸が交わる空欄(今は
例が入っている)に思い付く限りのネーミングを埋めて
いくのである。

ネーミングマップ「naimingumappu.xls」をダウンロード

 本書を読んで思ったのは、つかみどころのないような
ものでも、(今回で言えばネーミング)自分なりの型
を導きだせば、システマチックに機能することができる
ということである。

 サッカーで言えば自分が相手を抜くときのフェイント
の形みたいなものか。

 型がたくさんあることで自分の対応できる引き出しが
広がるし自身がつく。

売れる! ネーミングの発想塾 Book 売れる! ネーミングの発想塾

著者:齋藤 孝
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