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『鬱の力』五木寛之、香山リカ ★★★☆☆

鬱イコールよくないこと、と決めつけていな
いだろうか。

本書は、五木氏の鬱に対する独自の考え方と、
香山氏の精神医療の実態を交えた話しが興味深い。

鬱な気分とうつ病は区別して考えなければい
けない、と五木氏は言う。

会社に行きたくないとか仕事がつまらないと
いった気持ちは、生きていれば普通に起こること。

鬱な気分だから薬を飲んで治さなきゃとか病院
にすぐに駆け込まなきゃというのは違う。

五木氏は、なんでもかんでも鬱の気分を治さな
ければいけないという考え方に警笛をならす。

鬱を時代の流れとして、大きな枠組みでとらえて
いるのもおもしろい。戦後からバブル期まではず
っと「そうの時代」、今は「鬱の時代」。
鬱の時代には鬱で生きると主張する。

鬱を切り口に五木氏と香山氏は今の閉塞した時代
にも言及する。

格差社会の一番の問題は、格差ができることでは
なく、異なる人々をブロック分けして排除していく
こと。
鬱をよくないことととらえ、治さなければ排除さ
れるという風潮と通ずるものがあると思った。

鬱をどう考えるか。これからの時代、自分なりの
鬱のとらえかたというのは重要になってくるのでは
ないだろうか。
本書はそれを考えるきっかけとなる。

鬱の力 (幻冬舎新書 い 5-1) Book 鬱の力 (幻冬舎新書 い 5-1)

著者:五木 寛之,香山 リカ
販売元:幻冬舎
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