『北京大学てなもんや留学記』谷崎光 ★★★☆☆

 本書は中国人の生態をおもしろおかしく知ることがで
きる。
 著者の留学経験をもとにしているため、中国で暮らし
たことがないとうかがいしれない裏の真実も満載だ。
 賄賂の横行や詐欺、根拠なき日本バッシングなどなど
気分の悪くなることも多いのだが、日本人にはない積極的
な親切心など中国人のあたたかさを知ることにもなるだ
ろう。

 著者の中国人に対する見方は決して偏っておらず、
中国人の生態をうまう描ききっていると思う。

 自分も北京大学で短期留学の経験があるが、共感する
部分はとても多かった。

 また、中国語の学習のポイントもあり、中国語学習者
には結構参考になると思う。ただ、結局は語学に王道な
し。急がばまわれ。ということなのだが、いろいろと
新しいテキストや新しい勉強法に変え、思考錯誤している
中国語学習者には読んでもらいたい。
 やっぱり語学は地道にやるしかないのだと腹にすっと
おちると思う。

北京大学てなもんや留学記 (文春文庫 た 44-3) Book 北京大学てなもんや留学記 (文春文庫 た 44-3)

著者:谷崎 光
販売元:文藝春秋
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『こんなツレでゴメンナサイ。』望月 昭 ★★★★★

「うつ病」をテーマにした本なのだが、それ以上に
「夫婦のあり方」を考えさせられた。

 ツレと相棒の闘病生活を見て、ほのぼのとしたあたた
かい気持ちになり、こういう夫婦っていいなと思った。

 お互いの苦手なことや弱さを補い助け合って生きていく。
あたりまえの夫婦のあり方なんだろうけど、それをあたり
まえのように実践しているツレと相棒はすごい。

 目標にしたい夫婦像である。

≪印象に残った言葉≫

○相手の性格は一生変わらない。だから相手を変えよう
 とするのではなく自分が変わらなくてはいけないのだ。

○過去は視線の前方にあり、未来は頭の後方にある。
 なぜなら、過去は近いものほどよく見え、遠いものでも
 かすかに見えるからだ。しかし、未来のことは頭の後ろ
 にあって、何も見えない。
(ネイティブアメリカンのホピ族のことば)

○周りの人が困ったなって思うくらい怠けるのは悪いかも
 しれないけど、怠けているのが悪いって思うキッチリめ
 の考え方が、よくない。人生は怠けることも必要。

○人生の時間をずっと捧げるんだよ。好きな仕事でな
 かったら続けていても意味はない。

こんなツレでゴメンナサイ。 Book こんなツレでゴメンナサイ。

著者:望月 昭
販売元:文藝春秋
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『白夜行』東野圭吾 ★★★★☆

 テレビドラマを見てストーリーは知っていた。展開を知っ
ているので、驚きやドキドキ感はあまりなかった。

 しかし、飽きずに読み切った。
 いや、飽きずにというより、先が気になって途中でやめる
ことなどできなかった。
 それは、テレビドラマとの違いがあるのか、ドラマの映像
をどう表現しているのか。また、先に読んだ『白夜行』の
続編と言われる『幻夜』とつながる部分はどこか。

 こういった視点で読んでいると早く先のページをめくりた
くなるのだ。それにしても、著者の筆力には圧巻である。

 これほど複雑で入り組んだ物語を読者に違和感なく読ま
せるには相当な筆力が必要なはず。意味がわからなくて
読み直した箇所はない。改めて東野圭吾のすごさを知った。

白夜行 (集英社文庫) Book 白夜行 (集英社文庫)

著者:東野 圭吾
販売元:集英社
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『毒笑小説』東野圭吾 ★★★★☆

 思わずニヤリとしてしまう短編ばかり。笑いたいとき、
気持ちを軽くしたいとき、そんなとき手にとりたくなる
本だ。
 収録されている12篇のうち印象に残ったものを3つ選
ぶとしたら、次の3つだろうか。

 塾や習い事に忙しい孫を自由に遊ばせるために誘拐を企
てた「誘拐天国」、
 責任を他人におしつえけようとする気持ちを巧みに表現し
責任転換の連鎖を描いた「誘拐電話網」、
 笑いからせつなさへ感情をゆさぶられる「つぐない」。

 巻末には京極夏彦氏との対談もあり、ミステリー作家と
は別の顔の著者(東野圭吾氏)を知ることができる。

毒笑小説 (集英社文庫) Book 毒笑小説 (集英社文庫)

著者:東野 圭吾
販売元:集英社
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『ダブルキャリア』荻野 進介,大宮 冬洋 ★★★★☆

 今の職業に満足していない方。
 今の職業を適職だと思っていない方。

 ダブルキャリアを考えてみるのもいいかもしれない。
小遣い稼ぎではなく、適職ひいては天職を見つけるこ
とで職業人生を豊かにしようというのがダブルキャリア。
 ダブルキャリアは、本業を決しておろそかにするわけ
ではない。

 相乗効果が得られたり、景気に左右されない働きで
リスク分散という効果があったりと利点も多い。

 ダブルキャリアで大事なのは、決心と行動、発信で
あるという。本書は参考書として読むのではなく、実
際に行動するための手引書として読んでほしいという。

 ただ、固く考えず、今の職業にすこしでも満たされ
ない気持ちがあるのなら、ぜひ本書を手にとってほしい。 
大事なのは頭であれこれ考えることよりも、実際に
行動することだから。

ダブルキャリア―新しい生き方の提案 (生活人新書 227) Book ダブルキャリア―新しい生き方の提案 (生活人新書 227)

著者:荻野 進介,大宮 冬洋
販売元:日本放送出版協会
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『幻夜』東野圭吾 ★★★★★

 「幻夜」の前作と評される「白夜行」はテレビドラマ
で見ただけで小説では読んでいない。
 
 しかし、「白夜行」を知らなくても十分楽しめた。
 もちろん、知っていたほうがいいと思うが、別の作品とし
て読むことができる。
 
 ボリュームは結構あるが、飽きさせない展開でページ
をめくるのが自然と早まる。残りのページが少なくなる
につれてページをめくるのがもったいなくなってくる。
引き込まれる作品だ。出張に持参して読んだが、長時間
の電車のお供には最適だ。

 読後には、なんとも言えない気持ちが残った。想像力
が書き立てられあれこれ想像したくなった。
「白夜行」との関連を探したくて、必死に何年か前に見
たテレビドラマを思い出した。
 そして、小説の「白夜行」を読みたくなった。

 冷徹で計算高く生きる人間と、操られ破滅していく人間。
この2人の人間が描く壮絶な物語に自分の感性が何を感じる
か試してみてはどうだろうか。

幻夜 Book 幻夜

著者:東野 圭吾
販売元:集英社
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『考具』加藤昌治 ★★★★★

 考えるための道具をもっていますか。

 本書は、アイデアを出すために、考えることをシステマ
ティックにできる道具がたくさん紹介されている。

 アイデアは既存の要素の新しい結び付きであるという。
既存の要素をいかに見つけ、結び付けるか。

 その作業を漠然と頭のなかではなく、型にはめて行った
たほうが断然効率的だ。

 その型が考具である。

 考具はアイデアの素をみつける収集系やアイデアをより
広げる発散系、結び付けるのに役立つ収束系などが紹介
されているので、用途に応じて試してみてほしい。

 明日からすぐに使えるものばかりで、アイデア出しに
困っている方や脳を効率的にシステマティックに使いたい
方は必見の書である。

考具―考えるための道具、持っていますか? Book 考具―考えるための道具、持っていますか?

著者:加藤 昌治
販売元:阪急コミュニケーションズ
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『マインドマップが本当に使いこなせる本』★★★★☆

 マインドマップの基礎の基礎から使いこなすところ
まで学べる本である。

 マインドマップの書き方はもちろん、陥りやすいミス
や上達するための極意、マインドマップの効果など初心者
から上級者まで満足できる内容になっている。

 達人の書いたマインドマップがフルカラーで見ることが
できるのも参考になると思う。

 日常の「直線思考」からマインドマップを活用するこ
とで「放射思考」、そして「全脳思考」へと昇華すること
ができる。

 脳のより良い使い方をマスターすることで、脳の可能性が
広がる。従来の左脳偏重から右脳もあわせて使う全脳思考を
意識するようになるだろう。

 同著の「「できる社員」の最強メソッド マインドマップ
(R)ビジネス超発想術」もよかったが、本書はそれ以上に満足
できるものだと思う。

ペンとノートで発想を広げる“お絵描き”ノート術 マインドマップ(R)が本当に使いこなせる本 (アスキームック) (アスキームック) (アスキームック) Book ペンとノートで発想を広げる“お絵描き”ノート術 マインドマップ(R)が本当に使いこなせる本 (アスキームック) (アスキームック) (アスキームック)

著者:遠竹 智寿子,月刊アスキー編集部
販売元:アスキー・メディアワークス
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発想の型

発想力を高める「視点の転換思考」

●ズームアウト
 一歩引いた目でみる。いわゆる俯瞰する視点。

●情感バス
 ひとつの情感(「便利」「不気味」「かわいい」…)を具体的に
決めて、そのの情感を意識して街を歩いてみる。

●サムシングサイト
 感情移入を人ではなく「物」に対して行う。
 例えば、この鉛筆の気持ちになってみたらどう思うのだろう。

(参考「日経ビジネス Associe 20080603」)

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『ことわざの論理』外山滋比古 ★★★☆☆

本書は24個のことわざにまつわるエッセイをおさめた
ものだ。書名に「論理」とあるが、決して小難しい話で
はない。

 本書を読んでことわざについて見直した。
手垢のついた古臭い人生訓だと思っていたことわざが、
人生の本質をとらえた実に奥深いものと思えるようになっ
た。
思想や宗教とは違い、重々しくないのでとっつきやすい。
一言でスパッと言い切る爽快さがいい。

いつ誰の手によって作られたかはわからない。
まさに現代まで生き抜いた庶民のえい知の結晶である。
 人間の本質をぐぐっとえぐったことわざ。もっと重宝
してみようと思う。

 ただ、本書を完全には読破できなかった。
ことわざの意味するところは興味深いのだが、それにま
つわるエッセイが読んでいるとだんだん退屈になってき
たのだ。

結局、ことわざの意味は確認するものの、エッセイは斜
め読みで済ませてしまった。

本書にこんなセンテンスがあった。

「灰色はまわりが黒い所で見れば白と見えるが、周囲が
白ければ黒く見える。それと同じようにことわざも相対
的である。」

 価値観とは相対的であることをうまく表現している
ことばだと感じた。人より劣っている、または優れている
と思ってもそれは比較している相手によって変わるのであ
って、それにより一喜一憂するときはこのことばを思い出
したいと思った。“灰色の法則”と名づけたい。

ことわざの論理 (ちくま学芸文庫 ト 10-1) Book ことわざの論理 (ちくま学芸文庫 ト 10-1)

著者:外山 滋比古
販売元:筑摩書房
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